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2012年4月15日 (日)

食品の放射能検査データを読むのに役立つ情報:農産物編

前の記事「出荷制限のあった地域と品目」の参考資料として、食品の放射能検査データを読むのに役立つ情報をまとめてみました。新情報はわかり次第追加して行く予定です。ここに載せきれなかった情報は、Togetterまとめ
「セシウムが出る、あるいは出ない理由はいろいろある」
に収録していますので、あわせてご覧下さい。

高い測定値が出る品目・産地は比較的限られており、理由もある程度わかっています。品目によっては複数の理由が重なっている場合もあります。
(水産物については情報量が圧倒的に不足しているため、ここにある情報は主に農産物に関するものに限られていることをご了承下さい)

東日本の空間線量率、土壌セシウム濃度マップ
p.28に地上1 mの空間線量率の地図、p.29に土壌セシウム濃度の地図があります。

【2012.5.12追記】
農地土壌の放射性物質濃度分布図
農林水産省が作成した東日本1都14県の農地の土壌セシウム濃度マップです。対象地域全図とあわせて都県別の地図が用意され、福島県下はさらに市町村別の地図もあります。農地の地図なので山林や市街地は抜けていますが、農産物の測定値と見比べるには十分です。

カリウムの多い食品と、食品のカリウムの含有量一覧表
含有量が100 gあたりのmg数で表示されているので、1 kg当たりのg数に直す必要があることにご注意下さい。
カリウムを多く含む食品の原料となる農産物は、土壌中のセシウムを吸収しやすいとされています。

農作物の施肥基準
p.14(印刷されたページ番号)の表を見れば酸性土壌を好む植物がわかります。酸性土壌を好む植物の種類が多いことに驚かされます。
酸性土壌はセシウムを結合しにくく、その分植物への移行が進みやすいとされています。
酸性土壌を好む栽培樹木の例:チャ、クリ、カキ、ウメ、モモ、ミカン
(ただし木の場合実際に土壌からの吸収の影響が出るにはもう少し時間がかかるかも、また根を深く張るものは土壌からの影響を受けにくい)

地表(あるいは木の表面)に沿って浅く根を張る植物:タケノコ、野生キノコ、ワラビ
土壌中のセシウムは大半が地表近く(深さ5 cmまで)に分布し、この範囲に根を張る植物は特に強く影響を受けます。
(逆に言えば、垂直に深く根を張る根菜類は影響を受けにくい)

新芽が食品として利用されるもの:茶、山菜の新芽
セシウムは活発に分裂している細胞に多く取り込まれます。

根以外の部分から食品として利用される部分へのセシウムの移行が問題になったケースもあります。
事故前からの古い葉の表面→新芽:茶
葉の表面→果実:ビワ(常緑樹、葉も大きい)
樹皮→果実:モモ(落葉樹)

【参考】
事故の年=2011年限定ですが、大気中から降った放射性物質が地上部分に及ぼした影響の大きさも考える必要があります。
地表に沿って葉を広げる植物:ホウレンソウ、その他葉もの野菜(最も影響の大きい部分を食品として利用)
事故直後が開花時期にあたっていた:ウメ(2月下旬-3月、モモは3月下旬-4月上旬)
開花時期にまだ放射性物質の降下があったと考えられる:福島県下のクリ・カキ(5-6月)
文部科学省の都道府県別降下物データで福島市だけは6月に入っても降下物が観測されていた
現在公開中の文部科学省の月間定期降下物データでは、福島県下の代表点は福島市ではなく双葉郡になっていますが、日報データは福島市内が代表点になっています)
事故直後の生育状況の差(種まきの時期の差に由来)が影響の大小に反映:コムギこちらの予測がほぼ的中)

【2012.5.18追記】
ご参考までに2011/3/15-2012/5/16の福島県下各地の空間線量率グラフをご覧下さい(リンクをクリックした後"View full size"を押せば拡大表示されます。玄侑宗久さんのお寺がある三春町は田村市と郡山市の中間にあります)。

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